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【スタジオ部】面積規模3倍になるにじさんじスタジオ。ANYCOLORスタジオ部のこれまでとこれから【従業員インタビュー】
※スタジオ画像はイメージ図です。
「魔法のような、新体験を。」
そんなミッションを掲げ、2017年に立ち上がったANYCOLOR株式会社(旧いちから株式会社)は、7年の歳月を経て約150名のタレントが所属する、国内でも有数のVTuber事業を担う一社となった。
タレントの増加に伴い、本社を渋谷区、千代田区、港区などに移転をしてきたANYCOLORだが、この度いよいよスタジオをこれまでの3倍の面積規模に拡大することが決定。
これにより、にじさんじの放送や番組は一気に進化を遂げることが期待されるが、社内で働く人にはどのような変化があるのだろうか?
そこで今回は、にじさんじの生配信を現場で支えるスタジオ部のディレクター2名、並びに執行役員の藤田氏に対してインタビューを実施。
拡大するにじさんじのスタジオによってどんな変化が起きるのか。また、今のスタジオで思い出に残っている配信についても話してもらった。
にじさんじのこれからについて気になる方はもちろん、スタジオ部で働くことに興味を持っている方もぜひ読み進めてみて欲しい。
【取材を受けた人】
藤田:執行役員
ITインフラ業界でクラウドサービスの開発運用などのPMに携わりながら、個人で配信を行うなどエンタメ系の活動を行っていた。
エンタメ活動に振り切るか考えていた中、2018年にイベント会場でANYCOLORの社員と出会い、後に誘われて入社。
ANYCOLORでは技術部、スタジオ部の部長を経験し、現在はスタジオ部含めた複数部署の執行役員。
山川:スタジオ部 テクニカルディレクター
テレビ報道技術、大手配信会社を経てANYCOLOR(当時いちから株式会社)へ2019年に入社。
イベントや技術対応としては、第2回マリオカートにじさんじ杯、にじさんじ甲子園、ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン等タイトルの立ち上げなどを担当。
直近の業務として、国内外イベントの技術対応を行なっている。
高木:スタジオ部 3Dスタジオディレクター
テレビ番組の制作に携わったのち、VTuber業界へ転職。ANYCOLORへ2021年に入社。
現在は3D配信やイベントなど3Dに携わる業務を行っている。
「楽しく仕事をすること」は、ANYCOLORに入るまで悪いことだと思っていた
ーー皆さんはなぜANYCOLORに入社したのでしょうか?
藤田:
ITインフラ業界でクラウドサービスの開発運用に元々は携わっていたのですが、その傍らで個人で配信をするなどエンタメ系の活動をしていました。
次に転職をするならエンタメ業界に携わりたいなと考えており、その時にはVTuberが流行り始めていて、中でもにじさんじがエンタメ色の強いことをやっていて興味を持っていました。
ちょうどその時、とあるイベントでANYCOLORで働いていた社員と出会い、会話をしていく中で興味や楽しさを強く感じて入社をしました。
山川:
私は2019年にANYCOLORに転職をしてきたのですが、その頃はVTuberという存在が出てきはじめた段階ということもあり、正直応募するまでVTuberのことをよく知りませんでした。
転職活動をし始めている中、妻からANYCOLORという会社があることを教えてもらったのが、VTuber、そしてANYCOLORを知ったきっかけです。
興味を持った後にVTuberやにじさんじのことを調べていく中で、何よりも仕事をしていて楽しそうだと確信し、ANYCOLORに転職することにしました。
高木:
私は2021年に転職をしてきました。山川さんと同じく元々VTuberに詳しくなく、コロナ禍で友人に勧められて初めてにじさんじの配信を見ました。
放送だけでなく、リアルイベントと見間違うようなオンラインイベントを目の当たりにし、「こんなことまでできるようになっているのか」と感じ、徐々ににじさんじというコンテンツに強い興味を抱くようになりました。
その折、にじさんじを運営しているANYCOLORで自身の経験を活かせそうな求人募集があるのを見つけ、応募して内定をもらったのが入社背景になります。
ーー皆さん転職組とのことですが、ANYCOLORでの仕事と前職の仕事では、どういった違いを感じますか?
山川:
前職、前々職とずっと技術職のキャリアを歩んできていますが、圧倒的に仕事に対して受け身だったという印象があります。上から降りてきたものを100%こなす。そんな働き方をしていました。
しかし、ANYCOLORに入社してからは、自分から何かを進んでやっていくことが明らかに増えたという印象を持っています。
もちろん、社内の営業や他部署からのオーダーはもらいますが、自分で面白そうなことを考えて、積極的に試せる場所がここにはあると思います。
毎回毎回取り組む仕事が違いますし、日々働いていて楽しいと感じますね。
高木:
テレビ業界で5〜6年ほど制作業務に携わり、そこから実は一度同業界でANYCOLORとは違う会社に転職したのですが、そこでもテレビ業界と同じく制作の業務に携わっていました。
それからANYCOLORのスタジオ部に転職してきたということもあり、技術面はANYCOLORでゼロから習得していったという形になります。
そんな私を同僚や上司が優しく迎えてくれたという社風こそ、今までの会社との違いの一つかと思います。それだけでなく技術も教わることができ、現在リーダーとして10名強のチームにおけるマネジメントを担当できています。
私に技術をメインで指導してくれたのは、今ここにいる藤田さんです。最初はツールの触り方も分からず、初めてライブ配信を担当した際も、藤田さんが後ろで見守ってくれていました。
藤田:
あ、僕そんなことしてたんだ笑。
高木:
いましたいました笑。
ANYCOLOR入社後は、自分のやりたいように学び、やりたいことをやらせてもらえていると思っています。制作時代は受け身で仕事をしていましたが、今では積極的に自分からやりたいことに挑戦させてもらえていることこそ、やはり大きな違いですね。
藤田:
前職はネットワークエンジニアだったので、エンタメとは離れた業界にいました。
そんなキャリアということもあり、仕事で、しかもエンタメに携わって楽しく働くといったことは「悪いこと」といったイメージをANYCOLORに入るまでは持っていました。
そこからANYCOLORに入社し、配信スタジオの現場に入るようになって、「楽しい」という気持ちを持ちながら働けるようになったのは大きな違いだと思います。
ネットワークエンジニアだった時もやりがいなどはありましたが、ANYCOLORのスタジオ部の仕事は、面白いという意味で楽しいですし、ここにしかないやりがいを感じます。
ーー現在の皆さんの業務を教えてください
藤田:
今は執行役員ということもあり、今のスタジオ部の部長や副部長とともに、これからのスタジオをどうしていきたいか考えることが仕事です。分かりやすい業務で言うと、社内体制の整備や人員のアサインなどを行っています。
スタジオの現場からは離れてしまっているのですが、できる限りメンバーと話す時間を作り、メンバーからの要望と会社からの要望をそれぞれ汲み取って、にじさんじの配信をより良いものにしていくことがミッションです。
高木:
私は3Dモーションキャプチャーチームのリーダーをしています。
また、スタジオ部のディレクターとして、ライバーや会社からオーダーをもらい、どのように実現するかを打ち合わせ、実装に持っていく検討を主にしています。
山川:
配信現場にも入っていますが、どちらかというと現場から一歩引いて、部署全体を見ています。これからやらないといけないことや、習得しなければならない技術などを把握し、他部署やタレントがやりたいことを実現するために、関係各所全員が気持ちよく配信出来るように模索をしています。
また、最近はスタジオ以外でやりたいと言われる案件にも対応をしています。外でのロケや海外での配信など、様々な相談に対応することを意識しています。
これまでの現スタジオの思い出
ーー現スタジオから新スタジオに移転するということで、3年間、現配信スタジオにはたくさんの思い出があると思います。皆さんが思い出に残っている放送を教えてください
山川:
正直全部と言いたいところですが、強いて言うなら『ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン』の最終回ですね。
撮影後、ライバーとスタッフ全員でクランクアップの写真を撮って、「お疲れ様でした!」ってなったのは今でも記憶に新しいです。
前スタジオから長く続いていた番組だったのですが、社(やしろ)さんは「終わったーーー!!!」とカラッとした感じでした笑。
藤田:
決めがたいですが、『にじロック』です。
現スタジオで、企画に参加する5名のチャンネルをリレー形式で次々と配信し、視聴者も後を追うように見に来てもらうという音楽フェスのような配信でした。
思い出に残っている理由としては、『にじロック』は現スタジオに移転してきたからこそできる、チャレンジの多い配信だったからです。
一人ずつチャンネルで配信し、終わり次第その次のチャンネルで配信をして…という今までにない形でしたので、とても忙しく気をつかう場面が多かったです。
企画の最後のチャンネルである緑仙さんの配信では、5名のライバーに加え、バンドメンバー5名の計10名を全員出演させたいとライバーから要望を受けました。
実は、現3Dスタジオのスペックとして、8名までなら安全にモーションキャプチャーできることは分かっていたのですが、出演させたい人数が10名と現状のスペックを超えるような要望で頭を悩ませました。
ただ、ライバーも私達もどうしてもやりたかったので「いけるか分からないけどやってみよう!」と判断をして配信に臨みました。もちろんリカバリ案も準備していましたが、結果的にその人数でもモーションキャプチャーが上手くいき、理想の配信が実現できたこともあって、思い入れが深い配信になりました。
山川:
生放送前のリハで出演タレントが全員ジャンプしたら、モーションキャプチャー機材がめちゃくちゃ揺れて映像がバグってしまったのってその配信でしたっけ?
藤田:
それは別の企画ですね笑。
『にじロック』は、現スタジオに移転してきて色々な試みをしたので、非常に記憶に残っています。
山川:
当時、現配信スタジオでやっていた配信の中で、一番演奏曲が多かった配信だったと思います。スイッチャーの2人もかなり大変な思いをしながら取り組んでいた記憶があります。
藤田:
当時はまだ体制的にも未成熟なこともあって、準備時間も少ない中でスイッチャー1人が20曲くらい担当してもらったりと、みんなめちゃくちゃ頑張ってくれましたね。
高木:
私が印象に残っているのは、『にじさんじローションチャンバラ選手権』です。
先ほどお伝えしたとおり、前職もVTuber業界だったのですが、そういうの(ローション)はNGと言われたことがありました。
「普通の会社ではそりゃやらないよな…」とその時は納得していたのですが、ANYCOLORでローションが出てきた時は正直衝撃を受けました。
モーションキャプチャー用のマーカーはローションによって確実にダメージを受けていましたが、本当にローションの上でチャンバラをしている姿は今も脳裏に焼きついているといっても過言ではありません。
入社前には『にじさんじローションカーリング選手権』を見ていたので、「ここには、私が見ていた世界がある」と思ってしまいました。
山川:
2Dの方でも思い出に残っている配信があるので、追加してもいいですか?
『にじさんじ6周年!ゲーム&バラエティ2DAYSオールスター大決戦』という20人のタレントが同時に出演した放送も思い出に残っています。
現スタジオ全てを中継で繋ぎ、マスターは1つ別に繋ぎ、20名ものライバーが同時に出演するといった配信で、「これほどまでに大きな番組をできるようになったんだな」と感動した記憶があります。
藤田:
もう一つ、『SEEDs24』という24時間配信を行ったことも思い出に残っているので話させてください。
2Dも3Dもあった配信なのですが、これは現スタジオに移転してきて3Dスタジオが2つに増えたからこそできた企画です。あとは私も長時間対応していたこともあり記憶に強く残っています。
2Dと3Dを行き来するように配信ができたことや今までの配信ノウハウ、スタジオ同士が物理的に距離が近くなったことなど、最大限現スタジオや当時スタッフができることをやった配信だったのを覚えています。
ーー様々な思い出を現スタジオで残してきたとのことですが、どういった時にやりがいを感じますか?
山川:
自分の携わった仕事への反応がすぐに返ってくることです。やはり自分の技術がコメントという形で返ってくると嬉しいですし、やりがいを感じます。
褒められれば嬉しいのは当然ですが、お叱りを頂いたとしても、次回の番組の改善に繋がる伸びしろだと思って仕事をしています。
藤田:
今は私自身スタジオの現場から離れているということもあり、今のスタジオスタッフが企画する面白い配信や音楽ライブでの良い演出などを見て、また現場に入りたいなと思う瞬間があります。
その時に「こんなに良い配信ができるチームになって嬉しい」と感じると同時に「このすごい配信を我々がやっているんだ」ということそのものに感動し、やりがいを感じますね。
高木:
自分が携わった配信において、ファンの皆さんの声がダイレクトに見れる環境にいますので、山川さんと同じく嬉しいコメントを見るとやりがいを感じます。
コメントなどの反応は業務改善にも役立っていますので、こういった点もANYCOLORのスタジオ部の仕事の特色かなと思います。
ーー反対に、業務の難しいポイントを教えてください
山川:
他部署やライバーから難しい内容の依頼をされることですかね。
少ない人数の中で、どれだけ要望に対応していけるかを考えていくのが難しいところです。ただ、逆に少ない人数だからこそできることもあると思っていて、無事にやり遂げられた時はやりがいも感じます。
ちなみに、『にじさんじのB級バラエティ(仮)』のキャンプ回も基本スタッフは2、3人で収録をしています。
藤田:
他部署からスタジオを使いたいという相談が来るのですが、それが半年後や1年後といった未来のことであるケースが多く、その未来のことを今決断しなければならないという点が難しいです。
もちろん配信をするしないは会社で決めていくことになりますので、我々スタジオ部がNGを出すことはほぼありません。ただ、未来のその時までに配信ができるよう調整をするのは今でも難しいと感じます。
半年や1年後のことを考えて体制やチーム、人員を整えていく必要があるといった仕事です。
高木:
現在はコロナ禍に比べ、スタジオ稼働が過密な状態となっており、ライバーから要望もくるのですが、スタジオの予約的に難しいというケースが発生しています。
本来はライバーの要望通りにスタジオを使用できる状態にしたいのですが、スタジオの数やキャパが足りなくてNGを出さざるを得ないという点が、難しいというか心苦しいと感じる点です。
これからの新スタジオの展望
ーー2024年4月期 第3四半期の決算にて、新スタジオに移転することが発表されました。この移転はいつ頃から決まっていたのでしょうか?
藤田:
2年前の2022年頃ですね。
先ほど高木さんの話にもあったように、会社の急成長と共にスタジオのキャパの関係でやりたいことができなくなる未来は見えていたので、早々に動かしていく必要があると考えていました。
物件自体は4、5カ月ほどかけて決めていきました。
山川:
そのくらいの時間軸で内見をした記憶があります。
通常業務を行いつつ、主にスタジオに入る私を含めたスタジオ部のメンバーを中心に、新スタジオの選定を進めていきました。
ーー新スタジオへの移転の背景を教えてください
藤田:
先ほども少し触れましたが、会社の事業が拡大していくに当たって、所属するライバーの数や様々なコンテンツが増えてきたことを受けて、スタジオも拡大することになりました。
3D化したライバーも着々と増えてきており、ライバーからは「コラボをしたい」、「3Dになったから歌ってみたい」といった声が多く寄せられていますし、社内からも新しくやりたい企画や番組が増えてきているといった状況で、スタジオの拡大は急務だと考えていました。
ーー決算の発表によれば、新スタジオは面積規模で3倍にも広がるということですが、実際どのくらいの広さになるのでしょうか?
※スタジオ画像はイメージ図です。
藤田:
現スタジオの構成で言うと、3Dスタジオ、2Dスタジオ、2Dと3D兼用のスタジオ、レコーディングスタジオがそれぞれ1つずつ存在します。
新スタジオでは、3Dスタジオが3つ、2Dスタジオが5つ、環境や設備にかなり力を入れたレコーディング/編集スタジオが複数といった構成になるため、面積の広さや数をひっくるめて面積規模が3倍という表現をしています。
山川:
1つの新3Dスタジオの広さで言えば、現3Dスタジオの1.5倍くらい広いです。
新2Dスタジオも同様に1.5倍以上は広くなりますので、大体30名のライバーが一緒に入ってちょっと余裕があるかといった広さになります。
ーー新スタジオに移転するにあたり、どのような準備をしていますか?
山川:
面積規模が3倍になるに当たり、「このスタジオならこういうことをやれたらいいよね」といったことを判断し、新しい機材の選定や導入の検討を主に行っています。
また、スタジオの移転がライバーにとって負担にならないよう、過ごしやすく配信しやすい環境作りという点にこだわって準備を進めています。
藤田:
2年前からスタジオを探しているとお伝えしましたが、この1年半は新スタジオの内装や機材選定に関する会議を週1回以上、毎週実施しています。
できる限り関係者全員で細かくすり合わせ、スタジオ施工をする業者とも打ち合わせを重ねるなど、とにかく詳細に設計をすることを心がけています。
ーー広さや数以外に、新スタジオの特徴などがあれば教えて欲しいです
山川:
新スタジオでは、初めから全てのスタジオを同時に稼働して収録できるという機能を盛り込んでいます。それこそ、例えば24時間配信番組で8スタジオを同時稼働させられるようになりますので、今までではできなかったような企画も実現させられると思います。
また、初出しの情報になりますが、新スタジオにはARスタジオの機能も持たせるといった点も特徴だと思います。
これにより、今まで外部のスタジオやライブでしかできなかった表現を、自社で完結できるようになるといった進化もあります。
藤田:
ARスタジオだけでなく、3Dのグリーンバックを設置したスタジオも作りますので、このように↓リアルの人間とVTuberが共演するような配信も可能になります。
やはりリアルとバーチャルの融合は我々ANYCOLORの目指す一つの世界観でもありますので、こうしたグリーンバックやARの機能を自社スタジオで持てるようになるというのは、大きな変化だと感じています。
ーーレコーディング/編集スタジオに関してはいかがでしょうか?
藤田:
当社は歌唱、ボイスコンテンツどちらも多く取り扱うので現レコーディング/編集スタジオはかなり稼働がございます。
また、環境の変化により改善したい点が多く発生したため、それらを妥協せず新スタジオに盛り込む予定です。
そもそも音楽系を収録するスタジオとボイスコンテンツ等の音声を収録するスタジオは別々であることが多いんですよね。ただ当社はその両方を担う必要があるので、ハイブリッド型のスタジオを目指し設計するところから始めています。
目的に応じた機材の導入だけでなく、スタジオの遮音・防音にもかなりこだわりました。編集機能についても大幅に増強したことで、トラック数が多い楽曲や5.1chサラウンド音源の編集など、よりPCスペックや環境を要求される作業にも対応可能になる想定です。
さらにそのような高い機能をもつレコーディング/編集スタジオを2つ用意しました。
そのようなこともあり、実は3Dスタジオ以上にコストを掛けて取り組んでいるのが、レコーディング/編集スタジオだったりします。
ーー新スタジオに移転することで、皆さんの業務はどのように変わりますか?
藤田:
運用するスタジオの数が2〜3倍になりますので、どのようにスタジオを運用していくかといった検討が増えてくると思います。
有効な活用方法を見い出すことはもちろん、ライバーやスタッフが混乱しないような運用制度を設計していきたいです。
山川:
機材が増えたり、変わったりするため、スタッフ側で新たに知識を習得することや、運用を考える必要が出てきます。
特にARやグリーンバックを使った配信などは、今まで自社スタジオでやってこなかったところになりますので、業務として大きく変化する部分かと思います。
高木:
モーションキャプチャーの領域では業務が大きく変わることはありません。
ただ、新スタジオでは撮影カメラもモーションキャプチャーの機材も格段に良くなるといった進化があります。是非楽しみにお待ちください。
ーー皆さんが考える、新スタジオになるからこそやりたい企画を教えてください
高木:
3Dスタジオの数が増えますので、スタジオからスタジオへの移動がしやすくなります。
これを使って、例えばモニターする部屋とプレイエリアの2つにタレントが分かれ、モニター部屋からプレイエリアに部屋を移動し何かを行い、残ったタレントがモニター部屋でその様子を見て楽しむといった企画はできそうですね。
藤田:
やりたいことの1つ目は24時間配信企画です。これはもう一回チャレンジしたいです。
スタッフもライバーも増えてできる幅も広がりましたし、何より新しいスタジオのスペックをフルに活かした企画をやってみたいです。
2つ目は実写とバーチャルを融合させた配信です。
ARスタジオやグリーンバックを活用し、今までにない表現や企画を行っていくことで、技術を蓄積したいという思いもあります。
山川:
私も実写との融合にどんどん挑戦していきたいです。
それ以外でいうと、スタジオのキャパが増えているので、ライバー総勢100名ほどの大所帯の企画に挑戦してみたいですね。
2Dで60名、3Dで2〜30名であればキャパ的に実現できる範囲だと思います。にじさんじはライバー数も多いですし、お祭り感のある配信が実現できるのではないでしょうか。
例えば各スタジオで定点観測的にカメラを回しておき、視聴者が見たいスタジオを選択してリアルタイムに視聴を行き来できるような配信などが面白いと思います。
ーースタジオの拡大は、ANYCOLORの成長戦略にどのように貢献をしていきますか?
藤田:
スタジオは、ライバーが成長していく上で欠かせない機能だと思っています。
また、ライバーが成長していくということは、それ以上に会社としても成長していかないといけないと感じています。
スタジオの拡大は、会社の成長の一つであると思いますし、ARなどの新しい技術も取り入れていく必要があると思います。
元々ライブコンサートなどの大きなイベントではARの技術は触れてはいたものの、自社のスタジオでそれができるようになれば、ローコストで色々なことに挑戦をしていけるため、結果的にスタジオの提供価値も最大化できると考えています。
どれほど大変だと思ったことでも、何度も繰り返し挑戦することで、新しい知見にも技術にも繋がっていくと感じています。これは定期的にチャレンジしているローション企画がまさにそうだと思っていて、相撲からカーリングへ、その次はチャンバラなど、大変だったローション企画も続けるうちに慣れて、より新しいことにチャレンジできるようになります。
そういった積み重ねが、スタジオの配信からにじさんじフェスのような大きなイベントの成功に繋がっていると思います。
社内でできることが増えていけば、大きなイベントでもできることが増えていくと思いますし、スタジオの拡大をキーとして、にじさんじの更なる表現の進化に貢献していきたいです。
強い熱意は、その人を成長させる
ーー今回、新スタジオへの移転に伴い、スタジオ部で働くメンバーを積極募集中と聞きます。スタジオ部の働き方や環境について教えてください
藤田:
スタジオ部はスタジオの現場に入って仕事をしていくため、基本的には出社が前提になります。
また、勤務はフレックス制ですが、最近ではコアタイムを変えることができる制度もできたため、配信や収録時間に合わせて働くといった柔軟性もあると思います。
山川:
藤田さんがシフトを管理しているのですが、有給については他の技術会社よりも取りやすいと思っています。
藤田:
やはり仕事だけでなくプライベートも大切にしてほしいので、有給だけでなく代休もしっかり取れるようにシフトを組むよう意識しています。
土日に開催される大型のイベントの日に有給を取得するのはちょっと難しいですが、それ以外については働きやすい環境を整えられるよう尽力しています。
ーー皆さんの働くポジションでは、どのようなスキルが求められますか?
山川:
何らかの業界で生放送に携わった経験は必要だと思います。スタジオ部の業務として、生放送に携わることは前提となるためです。
生放送の緊張感というか、雰囲気が分かっている人だとありがたいです。
藤田:
そうですね、生の現場は経験していた方がいいと思います。
ただ、モーションキャプチャーオペレーターの仕事でいえば、モーションキャプチャーと生配信がかけ合わさった職場は早々ないと思いますので、その限りではありません。
「モーションキャプチャーに関する技術職として、ゲーム業界で働いていました」といった人であればマッチするかと思います。
また、モーションキャプチャーディレクターの場合は、モーションキャプチャーで何ができるかを理解した上で他の技術スタッフと擦り合わせるスキルが重要になりますので、前職はどの業界・仕事がいいとかは少し難しいです。
実際に高木さんもモーションキャプチャーについては未経験で転職し、技術を身につけてリーダーになっていますから、最低限何らかのディレクション経験がある方なら歓迎したいと思います。
ーーANYCOLORのスタジオ部で働くためには、どのようなマインドが求められますか?
山川:
圧倒的に気配りができるということと、圧倒的に自分から吸収していくという意欲を持っている人の2点です。
前者で言えば、2人など少人数のチームで業務を進めることが多く、2人しかいない状況で自分の業務だけに集中しているとトラブルが生じやすいため、気配りやサポートをして円滑に配信を進めるといったマインドが重要になってくると考えています。
後者については、会社のマインドとして、「あと一歩」にこだわってほしいというものがありますので、それを踏襲している形です。
高木:
モーションキャプチャーのポジションで来ていただきたいのは、誰とでも良い関係性を築いてコミュニケーションを取れる人です。
タレントだけでなく、スタジオ部のチームメンバー、社内の別部署などあらゆる方面から相談を受けることが多くあるポジションです。そのため、コミュニケーション能力は不可欠だと考えています。
また、その上で自分の芯を持っている人だと嬉しいです。
3Dに関する専門知識は、全員が全員知っているわけではありません。
「この人がこういう要望を出しているものの、自分はこう思っているからこのようにしたい」といったことを、丁寧に伝えていくことがこのポジションには必要だと思います。
藤田:
「熱意」になっちゃいますかね。
ANYCOLORも順調に成長してきていますが、もっともっと大きく成長を続けたいと思っています。
そのためには、VTuberが好きでもいいですし、何か面白いことをしてきたでもいいですし、とにかく何でも良いので、強い熱意を持った方と一緒に働きたいです。
強い熱意は、その人を成長させるドライバーになると思っています。
ぼんやりとした気持ちで転職を考えているのではなく、「ANYCOLORで、こういったことをして成長していきたい」と思っている方であれば間違いなく活躍できますし、ここでしか得られない経験の場を提供することもできると確信しています。
ーー最後に、エントリーを考えている方にメッセージをお願いします!
山川:
私たちと一緒に、バラエティの歴史を作りましょう!
高木:
「僕たちと一緒に魔法のようなエンタメを作りましょう!」
藤田:
スタジオに関わらず、ANYCOLORがここまで大きく成長できたのは、ライバーの活躍に加え、従業員のみんなが楽しく良い仕事をしてきた結果だと思っています。
もちろん大変なことや辛いこともたくさんありますが、その先にある楽しさを見出し、良い仕事をして、一緒に成長していきましょう!
ーーこれまでのスタジオと、これからのスタジオに対し、スタジオの最前線の現場で働く社員にインタビューを行った。
「神回」が出来上がる裏には、彼らスタジオ部の仕事に対する思いと、VTuberの今後の展望に対する熱意があることが分かっていただけたのではないだろうか。
現在ANYCOLORでは、スタジオの移転・拡大に伴い「スタジオエンジニア」と「3Dモーションディレクター/アシスタント」を積極募集中だ。
面積規模3倍、熱意∞倍のこのポジションに少しでも興味を持った方は、ぜひこの機会を逃さずにエントリーしていただきたい。
※情報は取材当時のものです
※取材・執筆:中嶋 駿弥
採用情報はこちら(2024.06.27時点)
配信・収録スタジオエンジニア / ANYCOLOR株式会社
3Dモーションアシスタント / ANYCOLOR株式会社
3Dモーションディレクター